死臭や腐敗臭でお困りではありませんか?
死臭、腐敗臭は事件や事故、孤独死があった部屋で発生することが多く、通常のハウスクリーニングでは完全に取り切ることは不可能と言われています。
このようなとても厄介な死臭、腐敗臭を除去することができるのが特殊清掃です。
本記事では、死臭の匂いや処理をする方法、特殊清掃のプロが完全に消毒、消臭する方法、かかる費用、素人ではできない場合のプロに依頼するメリット、事例などを紹介します。
死臭や腐敗臭を自分で処理する方法はあるの?
死臭の臭いとは?
あなたは「死臭」を嗅いだことがありますか?
医者や消防隊員、警察官、葬儀屋など死に関わるお仕事をしている方は嗅いだことがあると思いますが、普通はあまり嗅ぐことはないでしょう。
死臭は「腐敗臭」「腐乱臭」とも呼ばれていて、匂いの原因は遺体の腐敗です。
人間の体内には、実は常日頃から微生物やバクテリアなどの細菌が潜んでいます。人間が生きている間は体内に元からある免疫作用によって増殖することはありません。
しかし、死亡すると免疫作用は失われ細菌が増殖を始めます。
増殖した細菌が遺体を分解することで腐敗が始まり、いわゆる死臭が発生するのです。
死臭を消すために行うことは?
死臭は一般的なハウスクリーニングでは到底消し去ることができません。
では具体的にどのようなステップで対処すればいいのでしょうか。以下に5ステップで紹介していきます。
①遺品整理・撤去
死臭の処理の前に住居人の遺品類を整理、撤去しなければなりません。
しかし、死臭は「命にかかわる匂い」であるため、人間の嗅覚が敏感に反応します。
そのため死臭がついてしまった遺品や形見の品は「本当に必要なもの」だけを保存しすべて処分することをおすすめします。
なぜなら、それほど死臭はそのくらい強烈なものであり、嗅いでみれば誰もが「捨てるしかない」と実感するはずです。
②殺虫・消毒
遺品類を撤去した後は、殺虫・消毒作業を行います。
室内の作業がスムーズに終わるように通常、殺虫剤を噴霧して、ハエなどの害虫を駆除します。
感染なども防ぐ必要があるため薬局やネットで購入可能で消臭作用もある塩化ベンザルコニウムや安定化二酸化塩素の殺菌消毒剤を、使用上の注意を守った上で園芸用の噴霧器に入れ、くまなく散布するのがおすすめです。
ただ、殺菌消毒剤は人体に悪影響を及ぼす可能性があるので、防護マスク着用など安全対策を行う必要があります。
③消臭・脱臭
死臭(腐敗臭)は、人間の遺体や動物の死体が腐敗して漏れ出た体液から発生します。
この体液から発生した死臭の成分は皮脂、血液、排泄物などが含まれていて匂いを消し去るためには汚染箇所の洗浄がまず必要です。
しかし、体液は、一般的な洗剤ではほとんどの場合落としきれません。
ですから、自力やハウスクリーニングの清掃では、付着した匂い分子によって、数日後に「匂い戻り」が起きます。
通常の清掃では死臭の完全除去はできないのです。
そのため、特殊清掃では、死臭(腐敗臭)にも対応する業務用の薬剤、さらにはオゾン脱臭器という匂いの分子をオゾンの力で分解して無臭化させる専門の機材を用いて短時間に匂いを消し去ります。
特殊清掃業者がこのような特殊な匂いに対応できる最大の理由は、死臭(腐敗臭)を消し去る薬剤を扱えるからです。
④拭き取り・臭いがしみ込んだ壁と床をはがす
この後は、体液血液汚物などの拭き取り作業に入ります。
このとき、体液が付着浸透した床・壁面は、拭き取り清掃だけだと、腐敗臭は消えないので、はがして撤去します。
特殊清掃業者は、特殊な現場を扱ってきた知識と経験を生かして、どこまで解体すべきか?
どのようにリフォームを行うべきか?を依頼者に提案し、解体やリフォーム作業を行い、特殊な匂いを根こそぎ排除します。
汚染物が付着していない部分でも、たとえば壁のクロスなど、可能なかぎり全て撤去することが望ましいです。
撤去しなかった場合は臭いが残って、再度ハエやウジが繁殖してしまうので「臭いが微妙に残っているかもしれない」と思うところは撤去しておきましょう。
直接撤去できない部分(窓ガラス、サッシ、キッチン台、バス・トイレ、ドア、柱など)の表面に染み付いた臭いはしっかり拭きとっておきます。
ここまでの作業で、ほとんど腐敗臭は感じないようになっています。
少なくとも、近隣に迷惑をかけない程度には臭いを抑えられています。
⑤再消臭
最後に、病院の解剖室などでも使用されている、塩素系の消臭殺菌剤である安定化二酸化塩素液を噴霧すると、さらに効果的です。
清掃が終わったら数日間放置し、ハエの二次発生や残存臭の有無を確認します。
臭いが残っていた場合は、上記作業をもう1度確認していきましょう。
問題無ければ消臭・除菌は完了です。
素人では出来ない処理とは?
素人に出来ないと言い切れる第1の理由は、個人で手に入る限りの強力な消臭剤を使用しても、素人の清掃で故人の死臭(腐敗臭)は絶対消せないからです。
夏場や、暖房のついた室温が高い部屋では2日ほどで遺体の腐敗は進み、前述したような「嗅いだことのない」「強烈な」腐敗臭がするようになります。
冬場や低温の状態でも、1週間も経過すると同じ様な状態になります。
腐敗臭は、遺体を運び出した後も部屋の建材や家具に染み付き長い間残ります。
自力で処理した場合、匂いを完全に除去できたと思っても、ほとんどの場合、数日経つと匂いが戻ってきます。
死臭(腐敗臭)を完全に永遠に消しさる技術や設備を持っているのは、特殊清掃業者だけです。
プロが行う特殊清掃作業とは?
持ち物を片付けて建物外へ撤去
特殊清掃業者は、梱包から運び出しまでを行ってくれます。
故人の遺品に大きい家具がある場合など、通常自分がやる場合かなりの労力が必要になるものも建物外に除去を行います。
殺虫・消毒作業
市販の殺虫剤を噴霧し、飛び回るハエなどを殺虫します。
その後、目に見えない空気中の細菌類を除去するため、消毒をします。
消臭作用もある塩化ベンザルコニウムや安定化二酸化塩素の殺菌消毒剤を、使用上の注意を守った上で園芸用の噴霧器に入れ、くまなく散布するのがおすすめです。
消臭・脱臭作業
次に徹底的に行うのが殺菌と消臭の作業です。
事故物件の現場には、体液や血液が飛び散っているため感染症の恐れがあるのです。
そのためまずは濃度が高い次亜塩素酸水を噴霧して殺菌を行います。
その後、遺体から発生して染みついた臭いを取り除くために、オゾン脱臭を行い臭いの元を排除します。
オゾン脱臭はおよそ30分程度かかります。
拭き取り作業
消臭剤を散布したり、体液や臭いが付着した箇所を拭き取ったりし、本格的な消臭作業をおこないます。
場合によって臭いがしみ込んだ壁と床をはがす作業
表面的な掃除だけでは消臭しきれない、体液や臭いが浸透した床・壁(壁紙)は、すべて撤去します。
再消臭作業
最後に、病院の解剖室などでも使用されている塩素系の消臭殺菌剤・安定化二酸化塩素液を噴霧します。
数日後に室内を再度確認し、臭いが残っていなければ完了です。
死臭や腐敗臭にかかる費用が高くなる理由
人件費
間取り |
料金相場 |
作業人数 |
作業時間 |
1R・1K |
30,000円〜80,000円 |
1〜2名 |
1〜3時間 |
1DK |
50,000円〜120,000円 |
2〜3名 |
2〜4時間 |
1LDK |
70,000円〜200,000円 |
2〜4名 |
2〜6時間 |
2DK |
90,000円〜250,000円 |
2〜5名 |
2〜6時間 |
2LDK |
120,000円〜300,000円 |
3〜6名 |
3〜8時間 |
3DK |
150,000円〜400,000円 |
3〜7名 |
4〜10時間 |
3LDK |
170,000円〜500,000円 |
4〜8名 |
5〜12時間 |
4LDK以上 |
220,000円〜600,000円 |
4〜10名 |
6〜15時間 |
※金額は作業費に人件費・車両費・回収運搬費・廃棄物処分費をあわせた費用目安です。
特殊清掃では間取りのみで料金が決まるのではなく、事項でご紹介する作業内容によっても料金が変わってきます。
汚染物などの処理費
作業内容 |
作業費用 |
床上清掃 |
30,000円〜 |
浴室清掃 |
30,000円〜 |
消臭剤・除菌剤の散布 |
10,000円〜 |
汚れた畳の撤去 |
1枚:3,000円〜 |
オゾン脱臭 |
1日:30,000円〜 |
汚物撤去 |
20,000円〜 |
害虫駆除 |
10,000円〜 |
作業員の人件費 |
20,000円〜 |
専用薬品や機材費
道具名 |
価格 |
防護服 |
1,500円 |
ゴーグル付き防護マスク |
14,180円 |
殺虫剤1本 |
300円 |
噴霧器 |
2,580円 |
安定化二酸化塩素の殺菌消毒剤1L |
2,200円 |
業務用超強力消臭剤1L |
3,920円 |
その他(ゴミ袋・雑巾・テープ・ゴム手袋などの消耗品) |
3,000円 |
合計 |
27,680円 |
使い捨てになる道具類
他にも長靴、手袋、マスク、雨合羽、ゴミ袋、雑巾、テープなどは使い捨てになるでしょう。
死臭や腐敗臭を完全消臭するプロに依頼するメリットとは?
健康面や精神面への悪影響の心配が無くなる
死臭や腐敗臭は体内に危険なウィルスがあり、素人がする場合健康面への影響も大きいですし、慣れていない方の場合、心理的ダメージも大きくさらに自殺や事件などの場合はその後の人生に大きな影響を与えないとも言えません。
プロにお願いする方が得策でしょう。
消臭作業に時間を短縮
特殊清掃に依頼するなら、消臭作業など時間のかかる作業もスピーディーに対応してくれます。
死者が出た場合は放置しておくと異臭なども発生しますし、近所の人も「早く処理をして欲しい」という心情にもなるので、できるだけ早期で遺品整理や清掃を行う必要があります。
腐敗臭・死臭にも効果がある専用薬品で処理
一口に「孤独死現場」や「特殊清掃現場」と言っても、その現場に生じている汚れは千差万別です。
どのような汚れにも対応できるよう、当社では二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、血液凝固剤、体液除去用の洗剤など様々な汚れに対応した洗剤を準備しています。
これらの薬品や洗剤を、汚れの状況に合わせて使い分けていきます。
例えば、血液が飛び散っている場合(孤独死の場合、亡くなる前に吐血されて苦しまれ、部屋の広範囲に血液が付着しているケースも少なくありません)血液(特に吐血)には病原菌が含まれている可能性があるので、感染予防にも重点を置いた対応が必要です。
簡単にできる消毒方法は熱湯消毒ですが、血液は「熱で固まる」性質があるので、熱湯消毒は向きません。
そこで、次亜塩素酸ナトリウムを薄めて塗布します。次亜塩素酸ナトリウムとは、ハイターなど家庭での漂白にも使える薬品です。
そして濡らしたタオルやウエスで血液を拭き取り、最後に次亜塩素酸ナトリウムで拭き上げれば血液汚れの清掃は完了です。
体液の場合は、脂分が多いので、油落とし効果の強い薬品が効果的です。まずは体液を拭い取り、油落としの洗剤を使って何度も洗い、拭き上げます。
最後に消毒剤を吹きかけて拭き上げます。
近隣住民への配慮
死臭や腐敗臭が発生する場合、近隣住民の方と、ご遺族や管理会社を巻き込んでのトラブルに発展する場合があります。
いずれの場合も第一発見者は近隣住民の方です。
特殊清掃のプロにお願いをした場合、近隣住民の方にも早期発見・早期対応ができればそのようなトラブルを避けられる可能性が高くなります。
素人では対応しきれない作業(壁や床の張替えなど)
汚染が広がっていない場合は清掃のみで完了しますが、匂いや汚れが染みついて清掃での原状回復は難しいと特殊清掃作業員が判断した場合、依頼主と相談の上、リフォームを行います。
リフォームでは、臭気の染みこんだ壁や天井のクロスを剥がして、匂いの元を洗浄して新しいクロスに張り替えます。
床を解体して床下の洗浄を行い、体液が染みている部分には特別コーティングなどをおこないます。
事例紹介
まとめ
当社、事件現場清掃会社では、特殊清掃に関するさまざまなニーズにお応えするため、柔軟なご提案を得意としています。
特殊清掃が必要な現場でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
特殊清掃の対応はスピードが命ですので、できる限り即日対応できるよう配慮しています。